会員訪問記 No.001:中西たたみ店・中西 健太さん

2016.6.23

広報戦略委員会・会員訪問記:中西たたみ店

 

はじめにどのような会社か教えて下さい。

創業は1935 年。親⼦4 代続く町の畳屋です。

主に、畳の表替え、ふすま、障⼦、網⼾の張替え、オーダーカーテンなどを取り扱っています。社員構成は3 代目店主である父を初め、私と⺟、妻、パート2名と家族経営の小さな畳屋ですが、地元のお客様に支えられて日々頑張っております。

 

創業当時のお話をきかせて下さい。

現在も同じ土地で畳屋を営んでおりますが、創業当時は、店が三股町駅前であることから、旅館もやっていたそうです。戦時中も畳屋は営んでおり、建て替える前の建物には機銃の跡が残っていたそうです。今思えば部分的にでも記念に残しておいてほしかったですね(笑)

 

同友会に入ったきっかけはなんだったのでしょうか?

約3年前に⽯川建設の⻑友さんに誘われて参加した例会で、ハンズマンの大薗社⻑が事例発表をされたのですが、その時の例会が良かったので、早速入会をしました。しかし、同じ時期に国家資格取得のため、⿅児島にある訓練校へ通いだしたんですね。その際の両⽴が難しく、参加意欲も低下してしまいました。今年の3⽉に無事卒業し、1級技能士の資格も取ることができましたので、これからは同友会にも積極的に参加したいと思います。

 

職業訓練校ではどんな内容の事を習うのでしょうか?

主に国家資格の受験の為の技術習得になります。現在では、機械の導入により業務がオートメーション化されているのですが、国家検定では全て⼿作業で⾏うんですよ。実際には⼿縫いというのは非常に大変で時間もかかりますが、技術として身につけておくというのことは必要ですし、国家資格を持つという事によりお客様への安心感や信頼に繋がります。また公共事業を受ける際にも、この資格が必要になるので、事業を⾏う際には必要な資格となります。

 

公共事業というとどのような仕事になるのでしょうか?

主に公営団地の新築の畳の受注等になります。他には入退去の際に使用されるものや、慰労所の畳等の受注があります。

 

広報戦略委員会・会員訪問記:中西たたみ店

 

畳というと最近は少なくなってきたイメージですが、最盛期というのは何時ぐらいだったのでしょうか?

最盛期は昭和40 年代辺りです。その頃は家を建てる人も多く、しかもその家には畳が使われます。ですから、営業をしなくても注文が入るという時代でしたね。またそのような背景もあり、畳職人も多い時代でした。

 

現在はどんな感じなんでしょうか?

非常に少なくなりましたね。昔は都城、三股町他に3 軒ほどあったんですが、今残っているのは我が社だけですね。理由は畳を入れる家が少なくなったのと後継者がいないという問題があります。しかし、そうとはいえ、新しく出店してきたところもありますよ。

 

この業界で新出店?すごいですね。

支店のような感じになりますが、近辺には当店しか畳店がないということもあり、また料⾦も安い為に利用されるお客様は増えています。

 

中⻄畳さんではそのようなライバル店とどのような差別化を図っていくのでしょうか?

当店ならではの良さを出していけたらいいなと思っています。例えば当店では国産の、しかも熊本の八代産の無農薬で作ったい草を使用しています。無農薬なので安心だし、例え⾚ちゃんが舐めてしまっても大丈夫なんです。しかし、今、国産のい草というのは中国産に押されてしまって使用料が減ってるんですね。それに伴い、生産量も減ってしまう。そして、国内に良質ない草を栽培できる農家が辞めてしまう。結果、良いい草を使った畳も出せなくなってしまうという悪循環が生まれてしまいます。当店では自信をもってオススメできる商品を提供する事が、一番のセールスポイントであると思っています。また、国産のい草を使用することにより、農家に、元気になってもらいたいという思いもあり、積極的に国産品を使用しているんです。

特に最近では、熊本地震もあり、その影響が農家の方々にも及んでいます。我々としてもできることから貢献したいと思っています。

 

広報戦略委員会・会員訪問記:中西たたみ店

 

メインのお客様としてはどのような方が多いのでしょうか?

うちのお客様は9 割以上が個人の方ですね。毎⽉1 回新聞折り込みでチラシを約4 万件分入れてるんですが、そのうち大体20~30 件のお問い合わせを頂きます。うち9 割の方が頼んでくれています。

 

顧客獲得の為に何か工夫をされていますか?

DM を毎⽉1,000 件ほど出しています。内容については、商品やサービス全ての価格を載せています。また、⾖知識としてその時期ならではの、情報を掲載しています。例えば今ですと、畳の湿気対策でしょうか。あとは自分たちの写真やイラストを載せてアットホームさを出すようにしています。

お客様のお家に直接入るわけだからどのよう人が来るかと警戒されてはいけない。だからチラシにも僕らの顔写真や、イラストも入れたりして僕らの人間性をみてもらおうという想いでそこら辺はしています。また、店内での接客においても笑顔で対応することを心がけています。ブスっとしているよりもニコニコしている方が誰でも気持ちいいですよね。

信頼感を一番大事にして、頼みやすい雰囲気を作ることを意識しています。

 

広報戦略委員会・会員訪問記:中西たたみ店

 

機械を見せてもらって圧倒されました。

昔は⼿縫いでしてたようですが、父の代になり機械を導入しました。以前は私の両親、祖父⺟、2 名の職人さんの合わせて6 名で仕事をしていたのですが、機械を使用することで1人もしくは2人で十分畳を作成できるんですね。そうすることにより、⼿が空いた人間が製品をお客様に納品に⾏ったり、営業にまわったりする。社内的にはかなり効率はいいと思います。機械を休ませる事なく動かせるくらい多いと尚良いですよね。

多忙になることはいいのですが、それが理由でお客様に対するサービスがおろそかになってしまうことは避けねばなりません。サービスを低下させずに、売上を上げるということが大切だと思っています。特に、当店ではコミュニーケーションを大事にしてお客様を大事にするのがモットーですから。

 

広報戦略委員会・会員訪問記:中西たたみ店

 

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今後の展望をお聞かせ下さい。

今はまだリピーターのお客様が2 割くらいしかいないんですが、そこをもっと上げて⾏きたいですね。地域により密着したサザエさんでいう三河屋さんみたいな御用聞きなりたいですね。それで繋がりを濃くしていきたいです。

 

今の時代畳は少なくなってきてますよね。対策などはされているのでしょうか?

そうですね。皆さん仰るとおり、畳を利用してくださる方は年々少なくなってきています。今は新築の家に畳があるとしても、四畳半が一間とかですもんね。その中で我々はやっていかないといけない。どうにかしないといけないという危機感が業界内でもあるのは事実です。最近は様々なアイデアで、お客様へのアプローチを⾏っています。例えば、ヘリをおしゃれなデザインにして⾼くても選ばれる商品作りなども⾏っていますよ。あとは琉球畳ですね。半畳の畳を9 枚並べるオシャレな感じが最近は流⾏っています。新商品の提案もしていかないといけないのでそれは常々研究してやっていこうと思っています。

 

畳のメンテナンスについてのアドバイスを頂けますか?

依頼があってお客様宅に古い畳を引き取りに⾏くと、畳の上にカーペットをひいてらっしゃるご家庭も多いんですよね。まあ原因は⾒た目が悪くなったからとか、い草が⽑⽻⽴ってきたとか理由はあると思うんですが、湿気やカビ、ダニの原因になるので衛生的にあまりオススメはしないですね。そういう場合でも、うちには畳乾燥機というのがあって約90 度の熱処理で湿気取りや⾍の除去、除菌なども⾏えるような機械もありますのでぜひ利用してもらいたいですね。

 

企業秘密をちょっとだけ教えて下さい。

企業秘密という訳ではないのですが、畳のいいところを紹介すると、床材としてフローリングとは違ってクッション性があるところでしょうか。⼦どもさんがいるご家庭って、フローリングに大体ジョイントマットを敷いているんですね。畳だとそれ自体にクッション性があるので安全なんです。また天然素材で無農薬の国産い草を使っているので⼦どもが舐めても安心ですね。⼦どもも大人もくつろげる空間だと思います。

あとは室内の空気を浄化する作用もあるんですよ。

 

広報戦略委員会・会員訪問記:中西たたみ店

 

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最後に一言お願いします

昔は畳は大切にされていました。部屋の掃除をする時も畳が汚れないようにってわざわざ畳を上げて掃除をしていたそうです。しかし、今はその文化が消滅しつつあります。最近の若い方にあまり馴染みがないのは残念です。

中国産の畳が増えてきていることも危惧しています。また業者の対応についてのトラブルも起きています。例えば、最初に提示してきた価格と違う、というような案件も多くなってきたそうなんですね。うちはちゃんとしてるのに他所のせいでイメージが悪くなってちゃたまらない。正しい事をやっている企業が残る業界にしたいですね。個人店舗の強みを活かして、顔の⾒える、信頼を築ける、安心して頼めるアットホームな地元密着のお店として日々頑張っていくつもりです。

 

これからも頑張ってください。本日は⻑時間ありがとうございました。

こちらこそありがとうございました!

 

広報戦略委員会・会員訪問記:中西たたみ店

 
 

編集後記

 

はじめの取材の挨拶にお伺いした時のご家族揃っての丁寧なニコニコな対応が特に印象強く残りました。取材の中で幾度もお話されるアットホームさ、頼みやすい空気感がここに現れているのだろうと思いました。畳に馴染みが無かった我々取材班も帰る頃にはすっかりと畳の良さを語れるほどに。奥深い畳文化が今一度盛り返す為には町工場的なこんな企業があれば大丈夫だなと感じた取材一⾏でした。

 
インタビューアー
有限会社リースキン中堂薗・中堂薗 孝二
(きりしま支部・広報戦略委員会)