2019年度役員研修会 – 最大の課題「会勢拡大」に向き合う

2019.4.19

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年度の変わり目である2019年4月13日(土)、10時から18時までJA会館 AZMホール中研修室にて新旧の役員を対象に2019年度役員研修会が開催された。宮崎県中小企業家同友会(以下、同友会または宮崎同友会)では全県下の理事や支部幹事、委員会の役員を対象とした同友会理念の勉強会、役員研修会を年に一度開催している。出席者は青年部設立準備会のメンバーも含め約40名。今回は主に増強(仲間づくり)を強く意識した構成となっており、午前と午後に分けて二回の講義、それぞれの講義の後にはグループ討論を行った。

 

 

宮崎同友会の問題

 

午前中の一回目の講義は、「同友会の歴史と理念に学び直して、宮崎同友会『Vision 30th』の基本を踏まえ、その実現へ、活動をつくっていく」と題して有限会社 鉱脈者の社長であり宮崎同友会相談役、川口敦巳氏が90分の話をした。まず最初に川口氏は、丸一日かけて行う本研修の三つの目的(課題)について確認をした。一つ目は、同友会の役員として歴史と理念を学び、新会員オリエンテーションで一人ひとりの役員が語れるようになる。二つ目が、「Vision 30th」を発表して二年目となる今、そこで描いた目指す企業づくり、地域づくり、同友会づくりの考え方を理解し合い、2019年度の活動の中で県、支部、委員会それぞれの組織単位で実践の重点を確認し合う。そして三つ目が、これらを共通認識として持ち、会員増強への目標と行動計画を確認し合う。川口氏は、この三つを読み進めていくと、結局は、宮崎同友会の最大の課題が「会勢拡大」にあると言う。確かに、宮崎同友会はこの10年、ほとんど会勢が伸びていない。会員を500名にしようと何年も前から活動方針に掲げられているが全く実現していない。これは経営に置き換えると、10年以上も売上を伸ばしておらず、経営計画書に書かれている数字を全く達成していないのと等しい。どんなに素晴らしい活動をしていても、客観的に目に見える成果を上げることができておらず、これは企業と同様に、地域や社会に必要とされているのか、その存在意義を問われる問題だ。

 

 

なぜ、同友会は会勢を伸ばし続けてこれたのか

 

一方で47都道府県全体では、同友会は会勢を伸ばし続け、中小企業家同友会全国協議会(中同協)が創立50周年を迎える今年、会員数5万人達成を目指している。川口氏は、同友会が一貫して会勢拡大を続けていけた理由を三つに分け、同友会の歴史と紐づけて話をした。一つ目が同友会理念の第二項でも謳われている「自主・民主・連帯の精神」。これを掲げる同友会は「自助努力の会」であり、中小企業の社会的意義を自覚しつつ、自主的な努力と団結の力を大切にしてきた。自主(会の主体性を守り、会員の自主性を大切にする)、民主(会の主役は会員であり、ボス支配は会内でも企業内でも許さない)、連帯(会員同士の腹を割っての授け合い、他団体との協力)、この同友会の理念は、あらゆる組織、人間集団の在り方でもあり、だからこそ発展し続けることができた。

 

よい経営者になろう

 

二つ目が「人の問題を課題としてきた」ことであり、これは他の団体にはない、同友会の特徴を示す重要な点でもあると川口氏は続ける。「同友会の三つの目的」の二番目には「よい経営者になろう」と謳われており、戦後の激動の中で労使の信頼関係づくりに苦悩してきた中小企業経営者が、自分達の存在意義をかけて経営者の在り方を問いかけ合い、掴み取ってきた自覚宣言でもあると言う。業界の社会的地位を押し上げることを目的とした団体や、経営の戦術論を中心に受動的に学ぶセミナーと一線を画す同友会の真髄はまさにここにある。経営をよくする以前に、または同時に、経営者自身が育たなければならないと同友会は考え、例会を軸とした地道で継続的な学びに価値を置く。確かに、この一文があるから同友会に魅了される会員が多いと言っても過言ではない。しかし、宮崎同友会の場合、この段階で止まっている会員が大半を占めるというのも現実だ。

 

そこで川口氏が三つ目に挙げたのが「運動化してきたこと」であり、これは「同友会の三つの目的」の三番目「よい経営環境をつくろう」の一行に集約される。同友会は、経営者自身の学びのためだけにあるのではなく、中小企業のため、地域のため、社会のために、中小企業のエゴではない「真の中小企業の時代」をつくる主体者とならなければならない。もう少し平たく言えば、自分自身が学んでよい経営者になり、地域に必要とされる企業をつくり、そこで働く社員を幸せにすることができたならば、そのような中小企業家をもっと増やして社会をよくしていくことにも力を使おうということであり、また団結の力で社会への影響力を高め、よりよい社会の実現を目指そうということだ。自分だけよければそれでいい、同友会はそのような考えの団体ではなく、社会に「よい経営環境をつくろう」と「運動」をしている団体であることを、もう一度しっかりと確認したい。

 

運動化という観点ではなく、一人ひとりの考え方として少し通じることがタイムリーに起きた。この役員研修会の前日、東京大学の入学式が行われ、認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク理事長の上野千鶴子氏の祝辞がネットやニュースでも話題になったが、以下に引用する部分は、同友会で学び、その学びに価値があると理解することができた役員にはぜひ読んでほしい。

 

「あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています。そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。あなたたちが今日『がんばったら報われる』と思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと…たちがいます。がんばる前から、『しょせんおまえなんか』『どうせわたしなんて』とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。」(東京大学 Webサイトより引用)

 

言い訳の連鎖

 

次に川口氏は、宮崎同友会は、同友会運動の歴史と理念をどのように学び、受け継ぎ、新たな展望を拓こうとしているのか、「Vision 30th」の基本を成す考え方を織り交ぜながら解説を進めた。そもそも「Vision 30th」は、宮崎同友会の停滞の10年間を振り返り、いま一度活動をつくり直していこうとスタートした。宮崎だから、中小企業だから、仕方がないと言い訳していないか。この言い訳の連鎖が今の結果を生んでいるのではないか。地域の課題に向き合えるだけの経営ができていないのではないか。この厳しい投げかけから始まり、地域の課題を担ってこそ、強靭な企業づくりができるのだと訴えた。

 

宮崎同友会の本質とは

 

ここから川口氏の話は、問題提起と具体的な組織体制の提案へと繋がっていく。川口氏は直接的な結論を避け、聞き手に考えさせ、自ら答えを探させようとする話しの展開を好む(と私は感じている)。従ってここからは私の解釈となるが、川口氏の問題提起は大別して二点だと受け止めた。一つは「場づくり」が出来ていない。もしくは場づくりをしようと考えていない役員の意識についてだ。同友会では、例会づくりにかなりの労力をかける。三ヶ月以上前からプランを立て、座長と室長を中心に報告者に何度も経営体験を話させ、講話の内容をブラッシュアップしていく。一ヶ月前くらいになると、グループ長らも集う場が設けられ、大勢でグループ討論のテーマを協議して、例会の学びを深くしていこうと作り込んでいく。これは役員や例会づくりを経験した会員ならば誰もが納得するだろう。しかし、同友会は能動的に学ぶ場であり、会の運営は単なる作業ではなく、そのものから学ぶことが前提となっているにもかかわらず、理事会や支部幹事会、委員会という「場」は作り込まれているのだろうか。例会ほどの作り込みを一つひとつに行っていくのは現実的ではないにしても、単なる議決の場でしかない会議にしていないだろうか。役員の中でも「長」や「代表」と役職名に付く人は、あらゆる活動の中において参加する人が学びを得る「場」づくりをしているのだろうか。川口氏の言葉を借りると「支え、促す活動こそが宮崎同友会の本質」であり、様々な活動のすべてがこの「支え、促す」活動に繋がっていなければならない。この視点は非常に重要であり、理事や幹事、委員のモチベーションを高めるといった直接的な意味合いもあるが、会社経営においてもまさに同じことが言える。会社の中で行われる様々な活動のすべてが、「支え、促す」活動に繋がってこそ、全社一丸の会社づくりが実現する。

 

 

同友会を経営しているのか

 

もう一点は、「全体観」が持てていないことだ。川口氏はこれを「鳥の目と虫の目で」と表現しているが、多様、多層化している今だからこそ、全体観を持たなければならないと言う。同友会の中で常々問題として浮上してくるのが「運営主義に陥っている」という現実だ。経営の勉強をしているはずなのに、会員同士で話すことは会の運営ばかりで自社の経営についてはほとんど話さない。その運営についても、細分化され、時間をとられ、非常に狭い視野で捉えていることが多い。会社の役員が、自身の責任範囲の業務しか考えないような状態と等しく、同友会においても役員は経営的視点を持った上で、それぞれの活動を作っていかなければならない。「同友会運動と経営は不離一体」という言葉は役員なら必ず耳にしたことがあるはずだが、果たして「同友会を経営している」と考えて活動している役員がどれほどいるのだろうか。

 

これらの問題提起を踏まえ、川口氏は自身がイメージする会全体の組織体制とそれを実現するための理事会の体制づくりについて提案を行った。その詳細は素案であるため割愛するが、理事会、支部、委員会といったこれまで存在する組織体制の役割や意義を5つに分けて捉えグループ化、連絡会議を通して活動のPDCAを回していこうというものだ。

 

まとめができない経営者

 

川口氏の講話の中で気になる言葉があった。それは「最近の経営者はまとめができない」というものだ。同友会の中では度々「まとめ」という言葉が使われる。グループ討論においては、討論の最後に「まとめ」の時間を用意して、そこでまとめられたことを発表者がグループを代表して発表する。例会の締めくくりは「座長のまとめ」が必ず行われ、そのまとめ次第で例会の善し悪しが決まると言われる程だ。しかし、現実には川口氏の指摘の通り、単なる話題の羅列であったり、要点をしっかり捉えていないまとめが多く、またそれをしっかり聞いていない参加者も少なくない。ここで重要になるのが、まとめの定義だ。項目の羅列でもなければ、それらを単純に摘み出したものでもなく、ここでも必要になるのが「全体観」であり、討論や例会等をはじめとする活動の全体像を捉え、その意義を理解し、まとめるべき対象の本質を掴める必要がある。座長のまとめで「地域のためにという姿勢で経営してきた思いが~」等と受け入れやすい言葉で語られることがあるが、よくよく経営体験を聞いてみるとそれは単なる必然的な結果に過ぎず、そこに至るまでの原動力は全くかけ離れた過去の失敗に起因する感情だった等のようなことは多々見られ、事前に組まれた展開予想に安易にまとめようとする傾向も否定できない。

 

まとめる力が必要だとする川口氏の指摘は大いに賛成だが、個人的には川口氏にもう少し先達として尽力していただきたいと思う部分がある。なぜならば、同友会の創設メンバーであるということもあるが、出版社を経営してきた技術や知識、経験も大いに優位に働くからだ。私も職業柄、膨大な情報の中から必要な要素を抜き出し、場合によっては形を変え、第三者に向けて適切に表現するということが本業であるためよく分かるが、これは誰しもできることではない(できたら私の仕事の価値はない)。まして同友会の例会やグループ討論においては、短時間で適切なまとめを行う必要があり、真剣さや情熱だけではなかなか川口氏の要求するレベルは難しい。全体観を捉えた上で、対象範囲内の討論をまとめる力をつけていくため、ぜひ川口氏にはご指導の機会をいただきたい。

 

会議は単なる決議の場だった

 

講義を受け、「提案をどのように受け止め、2019年度の活動をどうつくっていくか」「その中で役員としての役割とは」をテーマにグループ討論を行った。私のグループには支部の代表幹事が二人、経営指針委員会の副委員長、次回経営フォーラムの実行委員長、そして講師の川口氏が含まれていた。まずは「場づくり」ができていなかったことの反省の声が多く聞かれた。「幹事会は単なる決議の場としか捉えていなかった」「支部幹事会に伝達するためだけに理事会に参加していた」等の言葉に現れているように、川口氏が問題提起した役員会議の在り方について考え合うよい機会となった。

 

また、それぞれの役員が自身が抱える運営課題で手一杯になり、狭い視野で動いていたことを自覚していたため、連絡会議の必要性についてもグループでは肯定的な意見だった。しかし、ただでさえ時間をとられている中で、さらに連絡会議まで開くと役員の負荷がさらに増えるのではないかという懸念の声も聞かれた。これに対し、講師である川口氏は、理事会が月一だから視野が狭くなっているとも言える。理事会が長期スパンで議論ができるきっかけにもなるため、隔月または三ヶ月に一度の開催でも良いのではないか、というかなり思い切った意見を述べた。具体的な方法論や組織体制についてはまだまだ議論の余地が残るが、役員が目先のタスクに追われている現状を打開し、全体観を持つことの重要性は確認し合うことができた。

 

全体観の欠如が戦略を無くす

 

これまで役員を務めてきた中で常々主張してきたことでもあるが、同友会には壮大で崇高な理念があるが、戦術論は設立以来ほとんど変わっておらず、戦略論がほとんど語られていないと感じている。会員には「経営指針をつくるべき」と強く訴えるが、宮崎同友会そのものの経営指針(活動方針)は果たして機能しているのだろうかと疑問を感じていた。川口氏の「全体観」の話はそこにも結びつく考えのような気がする。伸び悩む会勢は毎度のように理事会の議題に上がり、各支部に「何人増強するか」が問われるが、まさしく全体観の欠如だ。各支部は競うように目標値を追おうとするが、会勢を考えるならばなぜ県南支部がないのか、日南や串間といった市があるのに会員がそこにはなぜいないのか。中小企業の存在意義を何度も確認しているのに、利害が一致する自治体と一度でも本気で協力体制をつくろうとしたことがあるのか。産学官連携の動きは何年も前から始まっているが、増強活動において協力体制が出来ないのはなぜか。

 

運動であることの自覚と経営的視点

 

講義とグループ討論を通し、まずは同友会運動への理解が必要であると感じた。経営者として自身の学びの先にある地域や社会の未来を見据えた運動であり、そこを目指すため「自立した仲間」との団結の力が必要であること。そして、あらゆる活動を学びと「支え、促す」の機会へと繋げ、自社の経営幹部に求めるように、同友会の役員も全体観を持ち、「同友会を経営する」主体者になれているかを問うことが大切である。

 

 

 

本研修の二回目の講義は、「仲間づくりは、地域づくり」と題して白山陶器株式会社の社長であり、長崎同友会で10年間も一人で代表理事を務めてきた長崎同友会相談役の松尾慶一氏にお話いただいた。松尾氏は会歴13年目になる2008年に代表理事に就任。1996年には496名だった会員数も徐々に減少し、その頃には320名にまで落ち込んでいたが、代表理事就任の翌年には遂に300名を切った。これに危機感を覚えた松尾氏は、徹底的に「仲間づくり」に取り組み、結果として10年連続純増の記録を打ち立てた。現在の長崎同友会の会員は740名になる。

 

広報誌に会勢が載っていない

 

まず冒頭で、松尾氏は宮崎同友会の会報誌について触れた。どこにも会勢(会員数)について書かれていない。場合によっては増強活動をしていることや会員を募集していることも載っていない。宮崎同友会にとっては最優先課題であり、同友会運動の根幹でもあるはずなのに。確かに、そこには目が届いていなかったことを反省した。すぐさま広報戦略委員会と協議をして、まずは会内に向けて発信していこうと思う。

 

会員証・ポスター事業・県下一斉「仲間づくり」運動

 

これまで何度か松尾氏の報告を聞くことがあったが、とにかくその勢いに引き込まれる。エネルギッシュで言ってることが突き抜けていて気持ちいい。聞いてるだけで元気になり、やる気に火を点けるパワーがある。リーダーとは斯くあるべしとお会いする度に学ばせていただいている。本研修でもいつものように力強い松尾節が炸裂し、会場の空気を一気に盛り上げた。

 

松尾氏は代表理事に就任することになったきっかけから、就任後の意識の変化、エピソードを面白おかしく話してくれた。そして、仲間づくり(あえて増強という言葉は使わないらしい)のために実践してきた具体的な活動を、それぞれリアリティー溢れる事例を交えながら紹介してくれた。会社の入り口に貼ってもらう「会員の証」、銀行の支店に貼ってもらうポスターを事業化、全県下一斉に実施する「仲間づくり」運動(増強デー)等々、どれも宮崎同友会でも実施したいことばかりだ。会内でもいちいち反対の声が上がり、平坦な道のみではなかったらしいが、決して諦めずに取り組んできた結果、10年連続純増という成果を生んだ。

 

量が質を高めていく

 

同友会の中で増強について議論される時、度々取り沙汰されるのが「質と量」の話である。同友会では理念に基づいて真剣に議論をして意識を高めることを美徳としている傾向があるため、必ずと言って良いほど「質を高めれば必然的に量も増える」という意見が出る。これは「いい物を作れば自然と売れる」といった職人気質な考え方であり、今の時代はそう甘くない。全国の増強関連の会議で会勢が伸びている同友会の会員に聞くと、決まって「量が質を高めていく」と断言に近い言葉で言われる。その点、松尾氏も同意見のようだ。量が増えないことには質も高まらない、仲間づくりは何よりも最優先課題だと力強く訴えた。

 

 

同友会を知らないのは可哀想だ

 

また、入会を誘う時、細かい説明は不要とも言う。同友会に入って代表理事を10年やってきてもまだわからないことばかりなのに、入会前に何がわかるのか。とにかく一度入ってもらえばいいのだ。仮に経営に困っていない人であっても、「あんた、お金が余っとるんやけんとりあえず入らんね」と誘えばいい。松尾氏は佐世保弁でこうも続ける。時には「あんたば特別にいれちゃるばい」と言うと、喜んで入ってくれる。同友会を知らない経営者は可哀想だ、そう思ってどんどん誘おう。なんだか滅茶苦茶な理屈にも思えるが、いきいきと楽しそうに話す松尾氏の話は妙に納得してしまうから不思議だ。

 

代表理事の責任

 

最後に増強、会勢における責任は代表理事にあると断言した。強力なリーダーシップで長崎同友会を牽引し、10年連続純増という記録を打ち立てた松尾氏の言葉には説得力がある。どんな組織においてもトップの統率力や牽引力が重要なことは明白だ。同友会は「ボス支配を許さない」と明言しているが、それはリーダーを作らないこととは異なる。一方で、我々役員はそれでいいのだろうかと考えさせられる場面でもあった。例えるなら社外の人に「あなたの会社の社長が悪い」と責任を問われる社長を前にして、そうだそうだと思っている役員でいいのかということだ。長崎のように代表理事が思いっきりリーダーシップを発揮できる風土を、この宮崎同友会においても醸成していく必要がある。リーダーを支える役員になれているか、もう一度しっかり確認したい。

 

同友会で学べる幸せと楽しさ

 

勢い溢れる松尾氏の話を聞き、二回目のグループ討論を行った。そもそも増強は「同友会のために行なっている」と考えている時点で大きく間違っているのではないか。目標値を設定する時、支部の想定を積み重ねるのではなく、「どんな会になったらワクワクするのか」という視点で考えるべきではないか。そもそも役員たちは、同友会の会員であることに誇りを持てているのか。様々な意見が活発に飛び交ったが、松尾氏の姿勢から学んだことは何だったのだろうか。松尾氏に会う度に感じること、そして今回の講義の中でも常に感じていたこと、それはとにかく弾けるような元気、みんなが一緒に走りたくなる楽しさだ。私たちリーダーは、同友会で学べることの幸せと楽しさをもっともっと自身の内に持たなければならない。

 

文・構成・撮影:

竹原 英男
TNAソリューションデザイン株式会社 代表取締役
宮崎北支部・理事・増強本部長・産学官民連携部会MANGO会長

 


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本資料は同友会の会員がゲストや非会員を訪問したり、入会や例会参加をお誘いする際に活用していただくために試験的に増強本部が発行しています。PDFファイルをダウンロードできますので、印刷する等としてご活用ください。