Doyu Special Interview 諌山 正紀さん

2019.5.7

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安定経営に向けて柱は一本化
「サイバーセキュリティ対策のプロ集団」になる

 

有限会社アイネット
代表取締役 諌山 正紀さん

 

サイバーセキュリティーに特化し、度々地元新聞の経済欄に登場する有限会社アイネット。つい先日も日南商工会議所と「Windows7」のサポート終了対策に関する業務提携についての記事が掲載された。常に新しいビジネスを生み続け、現在では強力な独自性を確立した同社の代表取締役、諌山正紀さんにお話を聞いた。

 

 

会社を設立した理由を教えてください。

 

大学を卒業後、日本NCR株式会社から始まり、株式会社デンサンや株式会社システム開発とIT関連の仕事を通じて、いろいろ経験してきました。これらの会社はIT関連の業務を幅広く手掛けることができますが、時代の流れと共に、これからは何かに特化した時代が来ると感じていました。百貨店から専門店の時代ですね。そこでアイネットを立ち上げることを決意しました。

 

現在の業務内容を教えてください。

 

サイバーセキュリティ対策の分野でサービスを展開しており、各地の自治体、商工会議所、金融機関等とも協定を締結しています。具体的には、ASPウィルス監視サービス、クラウドバックアップサービス、ASP USB制御、Windows Update制御サービス、PC障害お知らせサービス等の自社開発商品です。

 

 

 

設立から17年が経ちましたが、これまで経験した経営課題を教えてください。

 

ちょうど起業した直後、宮崎の大手企業の経営変革の時期で、システム刷新がありアイネットが受注することができました。起業してわずか三ヶ月で売上が六千万円になり、気を良くして「経営って楽だな」と感じていたのですが、本当にこのままで良いのか、いつか売れない時代が来るのではないかと不安を感じるようになりました。何とかしないといけない、オリジナル商品を持たなければいけない、そう考えて、まずはブライダルASPサービスを始めました。得意としていた営業力を活かし、九州のホテル式場47会場と契約、金融機関や大手企業とも提携することができ、これでばんばん収益が上がると確信していましたが、実際には全く売上が上がらず失敗に終わりました。失敗の要因は、当時のブライダル業界の現場を知らなかったことです。サービスを提供する現場スタッフのほとんどが IT知識に乏しく、十分なサポート体制もなかったため、サービスの利用が促進されませんでした。

 

その後もオリジナルサービスをいくつか発表していきますが、試行錯誤する時代を経て、現在は「サイバーセキュリティ対策のプロ集団」になると定義づけることができました。いろいろ取り組んできましたが、当社にとって柱は一つでいいという結論になりました。枝葉はあっていいけど、メイン事業を支えるものであって、同時に何本も柱を作ったらいけないと学びました。

 

宮崎県中小企業家同友会(同友会)に入会した理由を教えてください。

 

オリジナルサービスをいくつか立ち上げ、模索していた時期、サービスそのものも上手くいかず、社員の退職も続きました。その当時は2~3年で全員入れ替わっていきました。いろんなことをやろうとしましたが、社長である私自身の思いや方向性がぶれていき、社員への共有ができていなかったのだと思います。

経営者として、しっかり勉強しなければいけないと感じて、入会を決意しました。

 

同友会に入って何が変わりましたか?

 

社是とか経営計画という言葉は知っていましたが、「経営理念」という言葉は同友会に入って知りました。最初の頃は、経営理念と経営指針の違いもよくわかりませんでした。ビジョンも曖昧だったと思います。事業においても、本当にやりたいことは何なのか、自社の存在意義に気付かされたのが同友会です。

でも、同友会で学ぶことは難しく、わかったつもりになっていたことの解釈がころころ変わります。なかなか頭に入ってこない時期もありました。やっと今の解釈に落ち着いたのが3~4年前だったと思います。会社は社員が中心であり、事業が中心ではないと思っています。社員一人ひとりに焦点をあてて経営しないといけない。しかし、そういう風に考えるようになったのは、経営が安定してからです。経営が安定していないと考える余裕がなく、事業の方に目が向くのが正直なところです。だからこそ、客観的な意見を取り入れたり、自分の考えをまとめることができる同友会での学びが重要でした。

 

今後の経営における展望をお聞かせください。

 

まずは安定経営に向けて「サイバーセキュリティ対策のプロ集団」として特化していきます。新事業はこのメインの事業を拡大するために行うものであり、始めたら止めない覚悟が必要です。「絞る」「捨てる」そして「続ける」ことを徹底していきます。商品の差別化を図り、地域を限定する等の「条件付き」でダントツナンバーワンの事業を創っていきます。そして、やりがいのある会社、社員が辞めない会社を目指していきます。

 

 

宮崎の経営者にメッセージをお願いします。

 

まずは相談する相手をたくさんつくってほしいですね。自分だけで考えると非常に狭い世界に入ってしまいます。そして、とりあえず勉強です。

私は本を読むのが好きですし、ぜひオススメしたいのですが、自分の解釈だけで終わらせるのはとても怖いことだと思います。経営について本音で語り合える、そんな仲間をぜひたくさんつくってください。

 


プロフィール

昭和31年生まれ(62歳)、宮崎市出身。九州大学工学部情報工学科を卒業後、日本NCR株式会社に入社。1982年にMRTグループの株式会社デンサンにSEとして転職後、営業課長に就任。1986年からUMKグループの株式会社システム開発の設立に携わる。2002年に有限会社アイネットを設立。現在はサイバーセキュリティ対策に特化したサービスを展開しており、自治体や金融機関とも連携して県内全域に展開している。

2007年12月に同友会に入会。宮崎南支部の幹事や代表幹事を務める。


 

文・構成・撮影:

竹原 英男
TNAソリューションデザイン株式会社 代表取締役
宮崎北支部・理事・増強本部長・産学官民連携部会MANGO会長

 

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本資料は同友会の会員がゲストや非会員を訪問したり、入会や例会参加をお誘いする際に活用していただくために試験的に増強本部が発行しています。PDFファイルをダウンロードできますので、印刷する等としてご活用ください。