第25回 宮崎北支部 定時総会 レポート

2019.6.4

 

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第25回 宮崎北支部 定時総会

 

 宮崎同友会の五つある支部の一つであり、県の中心に位置する宮崎北支部の第25回目となる定時総会が2019年5月14日にホテルマリックスにて開催され、約40名の会員と3名の高鍋信用金庫の支店長が参加した。定時総会は記念講演を行ったり、支部例会との抱き合わせで開催される場合もあるが、今回は議案提案と審議、採択、そしてグループ討論を行うといったある意味で同友会らしい構成で行われた。

 

 

前期は新会員の退会が激減

 

 第一号議案の「2018年度を振り返って」は、井手真弓代表幹事(社会保険労務士法人ALX 代表社員)によって提案された。景況調査の結果を支部活動に活かしていく仕組みづくりに着手したこと、市内で開催された「第6回 人を生かす経営全国交流会」において支部から参加したほとんどの会員がグループ長を務めたこと、「宮崎同友会 Vision 30th」を元に例会テーマを組み立てたこと等を振り返った。特に一定の成果が認められたのは、幹事会と連動した新入会員オリエンテーションであり、幹事が出席している幹事会に続けて新入会員オリエンテーションを開催することにより、新会員と現職の幹事との交流が盛んになり、新会員の退会が激減している。

 また、総括として、宮崎北支部の会員が中心となり設立を目指している青年部について触れ、支部としても全面的に応援する考えを伝えた。

 

さらに支部活動の活性化を

 

 第二号議案の「2019年度の活動方針と活動計画」は、橋本格郎代表幹事(株式会社合格不動産 代表取締役)によって丁寧に解説された。始めに、入会して一年未満の会員が今期の幹事に立候補する等の動きから、長らく低迷してきた宮崎北支部の活動が、昨年度から徐々に活発になっていることを紹介。続けて、人口減少社会の到来、高度情報化社会やグローバル経済の進展、雇用環境の変化等々の社会的背景と課題を踏まえ、「だからこそ、同友会の掲げる景気や業界の流れに左右されにくい経営を学び、実践していくことの重要性が高まっている」と訴えた。様々な活動方針、活動計画が発表されたが、これらを実践していく仕掛けとして、地区リーダー、学びの場づくりチーム、仲間づくりチーム、つながりづくりチームを編成し、幹事が会員を巻き込んで支部活動の活性化に取り組んでいくことを説明した。

 

 

 

97%の経営者が同友会を知らない

 

 結びとして、「全国には5万人もの仲間がいる同友会だが、いまだに宮崎には443人しかいない。これは3%の企業経営者しか会員ではないということ」だとして、「仲間が増えるともっと学びの場が増える。同友会を知らない県内の97%の経営者にもっと同友会の魅力を知らせていくべきではないか」と問いかけた。

 議案の提案、審議、採択を経て、参加者全員で「自社の経営課題」をテーマにグループ討論を行った。これは同友会運動と自社経営は不離一体であるという考えに基づき、同友会の活動方針と計画が、自社の経営における課題にどのように結びついていくかをそれぞれが考えることに意義があるためだ。私のグループでは、事業継承に不安がある、社員がついてこない、幹部が育たないといった課題が上がった。

 

 「幹部の覚悟が足りない」や「全社一丸というのは諦めた」という持論を展開した人の意見をきっかけに、会歴の長い先輩会員が静かに語った内容が印象的だった。「一人では何も出来ない私たちのような小さな人間が、自分の夢を実現するために『この指とまれ』と声を上げたのに対して応えてくれたのが、今いる社員達だ。志が高いことと人格が高いかどうかは別であり、経営者と社員であっても人としては何の疑いもなく対等平等である。小さな人間の指に止まってくれた大切な仲間であることを忘れてはならない」。これには誰も反論することはできなかったが、議論はさらに深く展開していった。対等平等であると口で言っているだけではなく、本質的に「人間尊重経営」ができているのかを問うことは、経営者が自身ととことん向き合って考えていかなければならない。よほどの人格者でない限り、「自分はできている」と言い切れることではない。

 また、「この指とまれ」と言うからには、「この指」の定義が明確に示されていて、正しく伝わっているかが重要だ。「この指」は、経営理念であり、事業ドメインであり、経営指針であると共に、労働者にとっては給与を含む労働環境でもある。これらが明確に定義されていないことはもちろん、伝わっていないことでさえ、社員に責任に転嫁しても課題は解決しない。

 さらに企業経営において欠かせない事実として、「この指」は誰の指であるかだ。入社を応募してくる段階では、誰の指に止まろうとしているのかを意識しない人がほとんどだが、社員になればそこは重要になってくる。その時、この指に止まってよかったと思われるのか、失望されるのか、そしてその責任は誰にあるのか、私たち経営者はしっかり自覚しなければならない。

 

個人主義の中での全社一丸組織づくり

 

 このような議論を展開していく中で、「個人主義の今の時代における経営は本当に難しい」という声も上がった。少し前までは、創業することやリーダーになることに価値があり、組織運営において統率力や牽引力が問われたが、現在はそれぞれの考えを尊重してどれだけ強固な関係性を作れるかが重要とされる。経営における多様性の尊重が叫ばれる中、個人主義の上での全社一丸組織づくりという難しい課題が突きつけられている。だが、ちょうど半世紀前に始まった同友会運動は、自主性を大切にし、ボス支配を許さず、協力し合うこと(自主・民主・連帯の精神)を掲げ、まさに今の時代をあるべき未来の姿として描いているということに、改めて驚かされる。

 

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文・構成・撮影:
竹原 英男
TNAソリューションデザイン株式会社 代表取締役
宮崎北支部・理事・増強本部長・産学官民連携部会MANGO会長

 

本資料は同友会の会員がゲストや非会員を訪問したり、入会や例会参加をお誘いする際に活用していただくために試験的に増強本部が発行しています。PDFファイルをダウンロードできますので、印刷する等としてご活用ください。