産学官民連携部会MANGO5月例会 第一部レポート

2019.6.16

 

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美容業界の常識と非常識
美容室と支える地域の美容

 

 宮崎県中小企業家同友会(以下、同友会)の産学官民連携部会MANGOでは、その名の通り産学官民が連携してビジネスを創出することを目的に、様々な形で勉強会を開催している。同友会の通常の例会は、経営体験報告とグループ討論、グループ発表、そして「座長のまとめ」で締めくくるという一連の流れが基本だが、MANGOの例会は特にルールを決めずに柔軟に企画している。2019年度5月例会(23日に宮崎大学まちなかキャンパスにて開催)の第一部は「美容業界の常識と非常識」と題して、株式会社ビューフィールドの専務取締役である前島崇志氏に、経営体験でも事業紹介でもなく少し変わった角度からの話をしていただいた。

 

 

美容業界の専門商社として地域に根ざす

 

 株式会社ビューフィールドは1980年に創業。美容材料、美容器具、美容関連商品の販売、営業促進の提案や店舗作りのプロデュースなどを行う美容業界の専門商社として地域に根ざした会社である。今回お話ししていただく崇志氏の父であり、創業者でもある現社長の前島俊郎氏は、宮崎同友会の設立間もない時期に入会し、精力的に活動を続け、同友会の核とも言える経営指針委員会の委員長を務める等、まさにミスター同友会とも言える存在だ。

 

 一方、崇志氏は2015年に帰宮したが、同友会に入会したのは昨年3月。入会前はMANGOの例会にゲストとして遠慮がちに参加していたが、現在は青年部設立準備会の主力メンバーとして活発に活動中であり、MANGOの運営委員でもある。次世代の同友会を担う若きリーダーとして周囲にも期待されている。

 

 

美容業界の常識と非常識

 

 今回お話ししていただいた「美容業界の常識と非常識」は、実際の企業の事例を元に組み立てられているため、あまり具体的な内容までここで紹介することはできないが、非常に面白く、誰もが前のめりで聞いていた。シャンプーや基礎化粧品等で使われるノンシリコン、無添加、植物由来、オーガニック、〇〇原産100%使用等のような言葉の意味することは何なのか。はたしてそこに価値があるのか。一言で言うと「目から鱗」な話ばかり。これだけ情報が溢れかえっている現代において、まだまだ私たち消費者は、現実のほとんどを知らないという紛れもない事実を突きつけられた。良く言えば、企業の計算された巧みなマーケティング戦略であるが、現実は極端すぎるほどの印象操作であり、法に触れるギリギリの詐欺まがいな宣伝文句も横行している。原材料の0.1%も含まれていない成分を大々的にパッケージに書いたり、消費者が勝手に「良いもの」と思い込んでいる言葉を商品名に使ったり、意図的に消費者が「勘違い」するように誘導するようなテレビコマーシャルを流したり、と具体的な事例でわかりやすく紹介してくれたが、誰もが「確かに…」と開いた口が塞がらない程の衝撃を受けた。

 

情報をどのように受け止めるか

 

 ただ、誤解しないでもらいたいのは、前島氏はこれらの事例を賛同こそしないが、特に批判するために紹介しているわけではない。情報は見方によって大きく意味が変わること、特に消費者としての目や耳を養う必要があることを伝えたいのではないかと受け止めた。これだけ情報過多である現代において、テレビやネット等で流れる情報をそのまま受け取るではなく、取捨選択したり疑ってかかったりする必要があることは誰でも理解している。しかし、SNS等のネットで流れる匿名の悪意に満ちた投稿は疑っても、有名な芸能人を起用して美しいナレーションが流れるテレビコマーシャルは特に意識することなく受け入れてしまっていることがある。

 

 また、体に良い成分、あるいは逆に最近は体に悪いという説が有力な成分、世の中にはいろいろな情報が飛び交い、その裏に商品の販売競争や勢力争いがあるが、実際のところどちらが絶対に良いとか絶対に悪い等ということは言えないらしい。使用する人の体調、体質、使用頻度等の状況によって結果は変わり、一概に良し悪しを言えるものではない。この商品は使ってはいけないと前島氏は一切言っていない。

 

 

マーケティング戦術として是か非か

 

 今回の話は、マーケティング戦術の側面からも非常に刺激的な話だった。大手企業が多大な予算を費やし、やりすぎとも言えるほどの巧妙な心理戦を仕掛けているのに対して、地方の中小企業のマーケティングはどうであろうか。また、購買意欲を高めることと、勘違いや思い込みを誘導することの境目は非常に曖昧であり、消費者は一定分量で「その気にさせてほしい」という欲求もある。高級レストランで家庭用の調味料を使っていても不思議ではないが、見えない所に置いててほしいと思うものだ。

 

株式会社ビューフィールドの地域密着経営戦略

 

 最後に、美容業界の立場から、非常に多い美容室(美容室は全国に24万件あり、これは郵便ポストや信号機よりも多く、コンビニエンスストアの4倍以上に相当する)を如何にして販売網に変えていくかを模索していることや、宮崎の美容室と共につくっていきたい地域像を話して締めくくった。前島氏の話は、MANGOの例会ならではの内容であり、様々な角度から考えさせられた。

 

 次回の6月例会は、2011年にMANGOが発足した当初にプロジェクトとして支援していた有限会社山下薬草店の代表取締役、山下洋一氏に登壇していただく予定だ。MANGO発足当初は、参加メンバーの中から支援していく事業を見つけ、アイデアを出し合ったり、具体的なマッチングをしたり、ビジネス創出のための活動を行なっていたが、有限会社山下薬草店もその一つであり、MANGOの活動を通して「薬草生活」を商品化することができた。次回の例会では、「薬草生活」のその後の展開や課題を報告していただき、参加メンバーで意見交換をして、さらなるビジネスの成功へと繋げていくことを目的にする。

 


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文・構成・撮影:

竹原 英男

TNAソリューションデザイン株式会社 代表取締役

宮崎北支部・理事・増強本部長・組織強化連絡会議委員

産学官民連携部会MANGO会長(兼担当理事)

広報委員会担当理事・青年部設立準備会担当理事

 

本資料は同友会の会員がゲストや非会員を訪問したり、入会や例会参加をお誘いする際に活用していただくために試験的に増強本部が発行しています。PDFファイルをダウンロードできますので、印刷する等としてご活用ください。