【スポットライト】VIE CONTE武内敬子さん

2021.3.14

>Q:VIE CONTEさんでは革製品の製作販売を行っています。この事業を始めようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?


A:10年くらい前に主婦の間でハンドメイドが流行って、洋服を作っている友人から「なにかしようよ!」と誘われました。そこでもともと革製品が好きだったので革製品を製作することを始めました。子供を寝かしつけた後に作る、というような感じでした。
でもその後に急に兄が亡くなり、「命っていつ終わるかわからないな」とリアルに感じました。病気とかではなかったので、本当に急で。その時に何かしたいな、と思いが強くなりました。さらにしばらくした後に、次は自分に甲状腺の腫瘍が見つかりました。良性か悪性が切ってみないとわからない状況で手術をすることになり、「自分は明日生きているのか?」「悪性だったらどうしよう」という思いになり、やっぱり何かしたいという思いが沸々と強くなっていきました。
最初は主婦の趣味的なものだったのですが、モノづくりすきだったし起業しようと思い立ちました。


Q:最初は「モノづくりが好き」というところから始まった革製品の製作ですが、起業されて変化はありましたか?


A:起業しようと思ったはいいものの、何をどうしていいかわかりませんでした。そんな時たまたま都城の商工会議所で創業塾というのがあるのを知りました。創業塾は商工会議所と都城市役所と同友会の三者協定で行っていて、創業したばかりの方や創業を考えている人向けに行っている講座です。創業に必要な知識や心構えを学びます。同友会のことを知ったのはその時です。
その中で、TNAソリューションデザインの竹原さんから「デザイン思考」の話がありました。「材料があるからモノを作る」ということではなく、「目的があるから、その目的達成のためにこのモノを作るんだ」というお話です。
それを聞いた時に自分はモノつくりが好きだから作るではなく、お客さんに喜んでもらうためにやりたいな、と思う気持ちに変わっていきました。
「こういう風にしたいから」「こんな思いがあるから」というようなその思いをのせて革製品を届けることで、革製品をいうツールではあるのですが、そのツールを通して人のライフステージをワンランク上げるような製品に作りたいと思っています。


Q:山形屋や東急ハンズへの出店もされています。どういった経緯で出店することになったのですか?


A:山形屋さんは全くパイプがなかったんです。
でも山形屋さんのInstagramで催事を行っていることを知って直接電話しました!「革製品の製作・販売を行っていて、そちらでイベントをしていると見たので出店させてもらえませんか?」と。ダメかなと思ったんですけど(笑)出店させてもらえるようになりました。
出店の際はVIE CONTEカラーを出そうと思って、同友会の「KABE Labo」さんで壁紙を購入させていただいてそれを使って会場設営を頑張りました。そしたら別のイベント担当の方から会場設営がおもしろいね、と声をかけていただいたんです。そこから季節ごとの催事にも出させていただけるようになっています。


東急ハンズは九州パンケーキの村岡さんからつながりました。3年ほど前に村岡さんとは知り合ったのですが、村岡さんが宮崎銀行とタイアップしてされた「ビジネスプランコンテスト」というものにエントリーすることになりました。
今の工房を借りる前に三股の自宅で製作していたのですが、三股は畜産関係の方がとても多くて製作しながら「モー」という牛の声がよく聞こえるんです(笑)。その時に「なんで同じ革なのに、宮崎和牛の革が使えないのかな?」と思っていたことを思い出しました。
なら宮崎和牛の革製品を作ろう!それがエントリー内容でした。
でも畜産関係の知り合いはいないし、もちろん牛も飼ってない、どうしようと思って商工会議所や同友会の方に相談をしたり、経済連の方に直接電話したりしてみたのですが、宮崎和牛の革を提供してくれる所はみつかりませんでした。
そんな時、商工会議所の方から宮崎和牛を使ったグローブを製作しているボールパークドットコムさんを紹介していただき、すぐに電話して会いに行きました。社長・専務・部長が並ぶ前で思いを伝えて快諾していただき、やっと使えるようになりました。
結局、ビジネスプランコンテストではファイナリストに残ることができ、現在も宮崎和牛を使った革製品の製作・販売を行っています。
そんなつながりがあった中で、村岡さんのFacebookの投稿に東急ハンズで宮崎の特産品を扱ったブースが期間限定でできるという内容をみて、すぐに連絡して商談を申し込んで出店させてもらえることになりました。


Q:すごい行動力ですね。目の付け所とそれを逃さない気持ちを感じます。多くの人が二の足を踏んでしまうような所で行動される行動力はすばらしいです。

A:兄の死などもあるので、チャンスは逃したくないというのはあると思います。
電話をする時はダメかなと思いながらも、電話ならできるのでやってみます。小さい規模でやっていますし、特別な何かがあるわけではないので自分から発信したり、行動しないと埋もれてしまいますので。



Q:目をつける所のポイントは何があるんですか?

A:これやったらおもいろいな、と思う気持ちはあります。ワクワクするな、という思いとか。竹原さんが「ワクワクしていなければ何かが間違っている・ドキドキしていなければ挑戦していない」っておっしゃってますが、その「ワクワク・ドキドキ」は大切だな、と思います。
今、東急ハンズで「えんとつ町のプペル」のキーホルダーを販売しています。映画「えんとつ町のプペル」は芸人の西野亮廣さんが脚本・監督をされたもので、絵本からスタートしています。子供がプペルの絵本を見てこれが欲しいと言ったので購入し、そこからプペルのキーホルダー作ってあげたらとても喜んでくれました。それだったらこれを製品にしたらもっと喜んでくれる人いるだろうなと思い、いろいろ調べたら著作権フリーで使えることもわかったので製作しようと思ったんです。でもやっぱり新しいことをする時は「大丈夫かな?」とドキドキするじゃないですか?でもその時の気持ちも含めて内容を同友会の城山ふとん店の松田さんに相談したら「絶対いいと思う!私もやりたい!」と背中を押していただいてカタチになりました。松田さん自体はプペルのお布団を作られて、そのタグをVIE CONTEで製作させていただくというお仕事にもつながっています。
今回のプペルの製品はいわば人が作ったものを使って製作・販売をしています。それを自分だけの売上にするのは違うな、きっと同友会的にも違うな、という思いがあって、売上の一部をフードバンクみやざきに寄付させていただき、製作の段階では、まーる工房の上宮田さんにも手伝っていただきました。




Q:人とのつながりをとても大切にされていますね


一人ですると小さいことでも、二人でするとその倍になるというか、そこがすごくおもしろいな、と思っていて。
いろんな方のつながりの中から、自分のできることを精一杯考えてつなげていければいいと思っています。
一緒にさせていただく中で、お客さんに喜んでもらうことだけでなく、自分ができることと、相手の方にもメリットになるようなものができるといいなと考えてます。