ヤグミ建築山口さん取材日記(青年部会)
青年部では2022年11月に忘年会を延岡で開催しました。そこにゲストさんが10名も参加されていたためその理由を聞いたところ、主催された山口さんが同友会に入会して変わっていく様子を目の当たりにしていたからだという話を聞きました。それであれば山口さんが同友会に入会をしてどのように変わったのか?同友会をどのように自社経営に生かしているのか聞きに行こう!ということで、青年部広報委員会で取材に行ってきました。
[ヤグミ建築について]
質問:ヤグミ建築の事業の現在に至るまでの流れを教えてください。
山口さん:最初は自分一人で請負で仕事を始めました。その後、独立することになりました。独立して色々な仕事を一興に引き受けるようになり、腕だけを磨くことでは駄目だということに気が付きました。職人としてだけではなく、経営者として役立つことも学ばなければとの思いから、東京に行き、施工管理会社で色々と学びました。その後、再び地元に戻り、2011年より個人事業主で創業、2023年に法人化し、ヤグミ建築を立ち上げ、現在に至っています。
質問:ヤグミ建築の事業内容を教えてください。
山口さん:弊社の事業内容は、リノベーションや新築などの建築プロジェクトを手がけています。ヤグミ建築では、大工さんが3組おり、私は建築デザインを担当しています。設計は私が行い、建築士の方に外注して図面に起こしてもらい、清書しています。現場がわかっている建築士さんは数少ないため、相性の合う建築士さんとの出会いに苦労しましたが、インスタグラムで知り合った建築士さんが一緒に仕事をしたいと連絡をくれ、今は協力して仕事をしています。
また、弊社では大工さんを育成することに力を入れており、若手の育成にも注力しています。現在のメンバーは30代から40代の同世代が中心となっています。
質問:家づくりでこだわっていることを教えてください。
山口さん:私は個性的な家を建てたいと考えており、自分が気になった物件があれば、インスタグラムや設計士・建築士の名前から情報収集をして、それを吸収し、自分たちの手で新しいものを作り上げるために日々仕事に取り組んでいます。また、既製品を組み合わせるだけでなく、職人さんが自分で一から作って、オリジナリティあるものをつくることにも意識を向けて、家づくりをしています。
質問:ヤグミ建築の顧客層について教えてください。
山口さん:弊社の顧客層は、20代から40代の若い世代を中心に構成されています。彼らが求めるのは、既製品とは異なるオリジナリティある建物の提供や、工務店ならではの丁寧な対応などです。また、リノベーションに興味がある人や、設計にこだわりを持っている人たちも多く、そのような人たちの要望に応えられる提案力が弊社の強みとなっています。
質問:ヤグミ建築の集客方法について教えてください。
山口さん:主にインスタグラムを活用して情報発信を行っています。新しい施工事例や日々の現場作業の様子、社員の日常などを投稿し、フォロワーの拡大や興味を持ってもらうことを目的としています。また、リピーターや紹介による口コミなども一定の効果を発揮しています。弊社では、特定の集客方法にこだわらず、様々な手法を取り入れ、柔軟に新しい情報をキャッチアップできるように、みんなで話し合っています。
質問:お客様への提案の際に意識していることがあれば教えてください。
山口さん:お客様からの要望を引き出すため、2つのプランを見せることで普通とオリジナルの違いを比較してもらいます。 普通のプランは一般的なものですが、オリジナルプランは、奇抜で他にはない弊社のオリジナルプランです。 まずは普通のプランで提案を行います。お客様に要望をさせすぎないよう、奇抜なプランは3ヶ月後くらいに見せるようにしています。その期間中にお客様自身が自ら住宅のことを調べて知識をつけてくれることがほとんどで、より具体的な要望が出てきます、その要望をオリジナルプランに追加して修正していくことで、お客様の納得感がより向上すると考えています。
質問:ヤグミ建築の事業展望(今後のビジョン)を教えてください。
山口さん:弊社の最終的なビジョンは、フランチャイズ展開です。具体的には、5種類程度の建物スタイルを考案し、それをフランチャイズ展開することで、全国の工務店に利用してもらうことを目指しています。フランチャイズ展開にあたっては、商社の協力を得て展開を進める予定です。
また、10年後には社員を5名増やし、それぞれのスタッフに5つの建築スタイルを担当させて育成を進めることを目指しています。教え方の効率化を常に考え、スタッフが左官・電気・塗装・建築などの全てを理解できるように指導しています。さらに、スタッフ全員にやりたいことをやらせることで、個々の成長を促す取り組みを行っています。
[コロナの影響]
質問:コロナの影響はありましたか?
山口さん:最近の建築資材の高騰により、当社では一時期、リノベーションを提案していました。また、コロナ以前に比べて、予算に見合う建築ができない場合が増えたため、低予算化を実現するための工夫を行い、ワンルーム住宅企画や全て土間にするなどの提案を行っています。このような提案も、お客様から好評をいただいています。
[同友会について]
質問:ヤグミ建築が同友会に入会したきっかけを教えてください。
山口さん:私が同友会に入会するきっかけとなったのは、塩谷さんが主催する「経営指針を作る会」を見たことです。具体的には、Zoomで開催された第一回目の経営指針発表会を見て、塩谷さんと同友会に興味を持ち、入会を決めました。また、塩谷さんからの紹介や、同じ同級生であることも入会のきっかけとなりました。
質問:同友会の学びを、ヤグミ建築で具体的にどのように生かしているのか教えてください。
山口さん:弊社では、同友会での学びを経営指針の策定や社員教育に生かしています。また、青年部の交流会などを通じて、全国の同業者と意見交換することで、業界全体の動向や最新技術などを把握し、現場の効率化や品質向上に役立てています。具体的には、紙からデジタル化することで現場作業の効率化を図ったり、同業者との情報交換を通じて新しいアイデアを得たりしています。同友会の学びをベースに、弊社は絶えず進化し、改善に努めています。
質問:山口さんが主催した忘年会でゲスト参加者が10名と聞きました、忘年会を主催した目的は何ですか?
山口さん:実は、県北支部の方から忘年会の主催を頼まれたことがきっかけでした。最初は自主的なきっかけではありませんでしたが、責任を持って計画的に進めることができると考え、私たちで主催することに決めました。
質問:忘年会を延岡で開催した理由は何ですか?
山口さん:忘年会の開催場所について、宮崎市か延岡の2つの案を考えました。宮崎市はメンバーが集まりやすく、アクセスも便利ですが、新規会員を募るためにはあまり有効でないことが判断されました。そのため、延岡での開催が決定されました。理由としては、延岡にはまだ青年部会員が少なかったため、新規会員を募ることが目標としていたためです。また、同業者が少なかったため、同業者を集めてネットワークを広げることができると考えました。実際に、延岡で開催した結果、目標のゲスト10名を超える人数が集まり、この企画は成功だったと思っています。
取材:青年部広報委員会(横山徳久・岩城望・岩本翔太・中山ひかり)